病気のことあれこれ

ピロリ菌除菌後には胃がんにならない?

ピロリ菌を除菌すると胃がんになるリスクは1/3から1/5に低下しますが、ゼロではありません。

今まで一度もピロリ菌に感染したことが無い人が胃がんになる可能性はほぼゼロと言われていますが、除菌されて、今はピロリ菌に感染していない人は、残念ながら胃がんになるリスクはあるのです。

最近では、ピロリ菌除菌後の進行胃がんが問題になっております。除菌後に検診を受けなくなり、早期発見が遅れたためと考えられております。除菌されても内視鏡や、レントゲンで胃がん検診を受けていかれることをお勧めします。

ピロリ菌を除菌したのに、検査で陽性と言われました。また感染したのでしょうか?

ピロリ菌除菌後の再感染は0.2%程度と言われております。再感染の可能性は全く無いとはいえませんが、残存ピロリ菌の増殖の可能性が高いと思われます。

ピロリ菌の検査には血液や尿のなかの抗体検査、糞便のなかの抗原検査、内視鏡で粘膜を採取して調べる迅速ウレアーゼテスト、採取した粘膜内のピロリ菌を顕微鏡で見る鏡検法、そして、薬を服用し、呼気中の炭酸ガスを調べる尿素呼気試験があります。除菌後の検査としては、尿素呼気試験が良いのですが、基準値以下となっても、ごくまれに、菌が残存している場合があります。それが増殖して、再検査で陽性となることがあります。

内視鏡検査でフォローをしていると、除菌後は炎症の存在がほとんど見られなくなりますが、時に炎症があり、再検してみるとピロリ菌が陽性だったと言うことがあります。その際には再除菌、二次除菌をすることになります。

痔は全て手術が必要?

痔だと思うんですけど、手術が必要ですか?と聞かれることがあります。

結論から言うと、手術が必要な痔疾患は少ないです。というより、手術が必要か否かは、患者さんの症状次第です。痔があっても、日常生活に支障が無ければ、生活習慣を見直して(便秘の解消、飲酒、刺激物を控えること、長時間立った状態、座った状態でいないこと、激しい運動を避けることetc)、経過を見て良いのです。痛みがあったり、肛門部の不快感、出血がひどいなどで、仕事に集中できない時に、また、座薬や、軟膏、内服薬でコントロール不能の時に、手術を考えれば良いと思います。

尿管結石

腎臓でつくられた尿を膀胱まで運ぶ管を尿管といいます。この尿管の中で尿の中の成分が砂や石のように固形化された状態が尿管結石です。尿管結石が尿管につまると(通常は三カ所つまりやすい部分があります)、つまった側の側腹部に耐えがたい痛みが腎臓、尿管、膀胱.gif急におこります。つまった側の腰背部がはったような感じもおこり、吐き気、嘔吐を伴うこともあります。また、血尿も見られることが多いです。

その典型的な症状、尿所見、腹部エコー検査で診断は容易です。

腹痛を抑える座薬の処方、尿管を拡張させる内服薬の処方、結石の排泄を促進する内服薬の処方がなされることで、症状はよくなります。また、ほとんどの尿管結石は自然に排泄されます。

尿管結石は尿が濃縮されることで形成されますので、脱水状態が続くと発症しやすいと考えられております。夏場は要注意です。


尿管結石

慢性便秘症

排便回数や排便量が減少したり、残便感や腹部膨満感、腹部不快感、排便時の強いいきみなどの症状を呈した状態を一般的に便秘といいます。こういった症状が長期間続いている状態が慢性便秘症です。

便秘は器質性便秘、機能性便秘、症候性便秘、過敏性腸症候群の便秘型、薬剤性便秘に分けられます。器質性便秘とは腸管や肛門の病変(例えばがん)のために起こる便秘です。症候性便秘は他の疾患(例えば糖尿病、甲状腺機能低下症など)の一症状として起こる便秘、薬剤性便秘は咳止め薬などによって起きる便秘です。過敏性腸症候群で起きる便秘も特徴があるため、別に分類されています。

一番多いのが機能性便秘で、一般に、便秘というとこのタイプです。機能性便秘は胃結腸反射の低下や排便排出機能の障害などが原因で発症する便秘で、大腸通過遅延型と排便機能障害型に分類されます。

便秘薬にもいろいろ種類があり、そのタイプに応じて使い分けがなされます。

便秘で悩んでいる方、一度ご相談下さい。

ペットボトル症候群

熱中症予防にはこま目に水分補給をすることが必要です。

ただし、水分補給の仕方に注意が必要です。コーラや清涼飲料水、スポーツドリンクを大量(一日に2〜3リットル)に飲み続けると、糖分の採りすぎのため急性の糖尿病になることがあります。これをペットボトル症候群といいます。

急性糖尿病の症状としては、体がだるくなる、喉が渇きやすくなるなどですが、重篤なケースだと昏睡状態に陥ることもあります。

スポーツドリンクには約5~10%の糖質が含まれているといわれています。仮に5%のスポーツドリンク(500ml)を1日2本飲むと、25g×2本で50g。人間が1日に摂取する糖分量の目安は20~40gといわれており、スポーツドリンクだけでこれを上回ってしまいます。

プール熱(咽頭結膜熱)

喉が痛くて、高い熱が続いています。目やにもでます。こんな患者さんが増えています。プール熱(咽頭結膜熱)という病気です。
プール熱はこどもさんに多い病気ですが、大人にも感染します。原因はアデノウイルスというウイルスですが、感染源がプールからのことが多いので、プール熱と呼ばれます。感染者と同じタオルを使ったりしても移ります。
相手がウイルスですから、治療は対症療法しかなく、解熱鎮痛剤の服用、トローチ、うがい薬、点眼薬の外用で、ウイルスが体外に排出されるのを待つ他ありません。
予防法は風邪の時と同じように、うがい、手洗い、体力を落とさないことです。プールに入った際には目を洗うこともお忘れなく。

潰瘍性大腸炎

下痢、粘血便(トマトケチャップのような便、イチゴゼリーのような便)、腹痛、微熱などの症状で来院され、大腸内視鏡検査により診断が下される疾患の一つです。

腸の粘膜がただれて潰瘍などができ、出血などの症状がでます。原因は遺伝的な要因、食生活など環境的な要因(特に欧米化的な食生活)、免疫的な要因が重なり合って起こるとされています。どの年齢にも起こりえますが、20台から30台の若い人に多い病気です。

大腸憩室症

大腸の内視鏡検査やバリウム検査で偶然発見されることが多い病気です。

大腸の内腔が大腸の外側に飛び出した状態を大腸憩室といいます。

無症状のことがほとんどですが、時に、憩室のある部分が痛んだり、発熱がおきたり、下血が起きたりします。憩室が盲腸の近くにあって、その症状(憩室炎といいます)が起きると、虫垂炎と診断され、手術になる場合があります。あらかじめ、憩室があることがわかっていると、抗生剤の点滴で治ることが多いです。

原因は食生活の欧米化による食物繊維の減少、高齢化が考えられています。食餌の内容を見直してみましょう。

大腸憩室症

胆石症

肝臓で作られ、十二指腸から出される胆汁中の成分が胆のう内で固まり、石のような固形物になったものを胆のう結石といいます。

胆のう結石のうちの1〜3パーセントの人に症状が現れるとされています。症状は上腹部を中心とした痛み、右側の背中の痛み、はった感じ、吐き気、嘔吐、右上腹部が押されると痛い、発熱などです。

症状がなく、超音波検査で胆のうにポリープ等の他の病変がない場合には、無症候性胆石症といわれ、経過観察で良いのですが、症状が繰り返される場合には手術が必要になります。

急性膵炎

急にお腹の上部が痛み、背中の痛みがある。急性膵炎の可能性があります。時に発熱があったり、吐き気、嘔吐も伴うことがあります。原因はアルコールの大量摂取、胆のう、胆管結石が、出口に詰まって起きる場合が多いですが、原因不明のことも多いです。
重傷の場合には、呼吸困難、意識傷害をきたし、死に至ることもあります。
診断は腹部所見と、血液、尿検査、レントゲン検査、超音波、CT検査からなされますが、この疾患を疑わないと診断まで時間がかかることがあります。
とにかく、急な腹痛がおきましたら、相談頂くことが一番です。


過敏性腸症候群

通勤の途中、通学の時に腹痛が起きたり、下痢になり困っている。過敏性腸症候群という病気かもしれません。

過敏性腸症候群は、主にストレスによって下痢、便秘を伴う腹痛や不快な腹部症状が慢性的に引き起こされる病気です。

薬物療法は、その症状により治療薬が変わりますが、下痢が主症状の男性の患者さんには、セロトニン3受容体拮抗薬という薬が効果があります。ご相談下さい。


胃ポリープ

胃の内腔に粘膜の一部が隆起したものを胃ポリープといいます。

胃ポリープは過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、特殊型(炎症性など)に分けられます。

ほとんどは胃底腺ポリープ、過形成性ポリープで特殊型は見られることはほとんどありません。

胃底腺ポリープは癌化することはなく、経過観察で良いといわれております。

過形成性ポリープは大きくなると癌化することがあります。また、過形成性ポリープができる胃は癌が発生する可能性のある状態でもあります。内視鏡でのフォローが必要です。

胃癌検診でポリープは見られるが、精密検査不要といわれることがあります。胃底腺ポリープだと判断しているためです。しかし、厳密に言うと、100パーセント胃底腺ポリープだと言い切ることはできないと思います。内視鏡で見る必要があります。

写真は胃底腺ポリープです。


胃ポリープ

慢性腎臓病(CKD)

尿たんぱくが陽性である状態、または腎臓の働きが低下した状態が続くのが慢性腎臓病です。

初期には症状はありませんが、進行すると、むくみ、けん怠感、食欲不振、貧血、息苦しさや視力低下などが見られるようになり、人工透析が必要になります。

血液検査のクレアチニンの値、年齢、性別からeGFRが計算され、その値が60以下で慢性腎臓病とはんだんされ、15以下ですと人工透析が必要とされます。

症状がなくとも、健康診断で尿蛋白が陽性たといわれている人は要注意です。

萎縮性胃炎

慢性胃炎の内視鏡的な診断名です。
慢性的な炎症のため、胃腺細胞が減少した状態です。原因はピロリ菌です。内視鏡での診断名ですので、慢性的な胃の症状が見られないことも多いです。萎縮性胃炎には高率に胃癌の発生が見られます。症状はなくとも、定期的な内視鏡検査を受け、萎縮が見られるようでしたら、ピロリ菌の検査、除菌を受けられることをお勧めします。


萎縮性胃炎

急性胃腸炎

嘔吐、下痢、発熱、倦怠感等の症状が急におこる病気です。ほとんどはウイルスや細菌の感染によるものです。食餌が原因であれば、食中毒ということになります。
急性胃腸炎で危険なのが下痢、嘔吐のために脱水症を引き起こすことです。小さなお子さんや、体力の低下している人、高齢の人は脱水症で重傷化しやすいので注意が必要です。
栄養をつけようとして無理に食餌をとったり、いちどきに水分をとって胃腸に刺激を与えると、嘔吐、下痢を引き起こし、ますます脱水の状態を悪化させます。先ずは、絶食として、水分と塩分(OS1等)を少量ずつ補給しましょう。少量の水分でも嘔吐してしまうようならば、点滴が必要です。

血便

便と共に血液がでることを血便といいます。ほとんどが痔(イボ痔、切れ痔)ですが、他には、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性腸炎、大腸憩室症、大腸がんなどが原因のことがあります。

年齢、血便と共に腹痛などの症状が有るか、発熱はどうか、発症の始まりが突然かどうか等で大体は判断できますが、正確な診断には大腸内視鏡検査が必要です。

いたずらに心配することはないですが、放置しておくのはいけません。診察を受けて下さい。


アニサキス症

海産魚類(サバ、ニシン、アジ、イカ、タラ、サケ、マスなど)を生で食べたのち数時間で急激な腹痛や嘔吐があった場合、アニサキス症を疑います。長さ2~3cmのアニサキス幼虫が、胃壁に侵入して症状を起こします。
内視鏡で摘除すれば、速やかに症状は改善します。アニサキス症かと思ったら、朝ご飯を食べずに来院して下さい。

ピロリ菌感染性胃炎

ピロリ菌が感染すると、胃炎を起こします。胃の痛み、もたれ、不快感などの症状が出る場合もありますが、無症状の人がほとんどです。胃炎は次第に進行し、萎縮性胃炎(胃酸を出す胃の細胞がなくなっていく状態)となり、胃の細胞が変化し、腸の粘膜のようになる腸上皮化生を起こします。この状態になると、効率にがんが発生します。
昨年3月からピロリ菌の検査、治療が保険で受けられる様になりました。がん予防のため、一度検査してみては如何でしょうか?


機能性デスペプシア

辛いと感じる食後のもたれ感、早期飽満感、心窩部痛、心窩部灼熱感があって、胃カメラなどの検査をしても原因がわからない。
機能性デスペプシアという病気かもしれません。
胃運動機能異常、粘膜の炎症、胃酸、内臓の知覚過敏(胃のみならず脳の知覚過敏)、精神神経因子などか様々に関与していると言われております。最近、機能性デスペプシアに効果があるアコチアミドという薬が話題になっております。ご相談下さい。


逆流性食道炎

のどの辺りや口の中が酸っぱい、胃の中身が逆流する感じがするような症状がありませんか?
逆流性食道炎かもしれません。
逆流性食道炎は胃酸が逆流し、食道の粘膜を傷害して起きる病気です。他には、お腹のはり、喉の違和感(イガイガ感、ひりひり感)、胃もたれ、ゲップ、胃の痛み、長引く咳などの症状もみられることがあります。PPIという種類の薬が効果的です。


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